ここでは資金管理表の必要性について詳しく説明します。
トレードの問題点
資金管理表はトレードのよくある問題点を解決します。トレードのよくある問題点として、このようなものがあります。
- 取引通貨数は何通貨にすればいいのか。
- 損失幅、利益幅はどのように決めればいいのか。
- 毎回、同じトレードで一回の損失額を残高の2%にするにはどうすればいいのか。
トレードを真剣に取り組んだ事のある方なら、悩んだことがあるはずです。その日その時々で形や値幅が変わっていく相場で、どうすればこのような問題を解決できるのでしょうか。
間違った解決方法
よくある間違った解決方法はこのようになります。
- 自信のある時に取引通貨数を多くする。自信のない時に取引通貨数を少なくする。
- 皆が意識しそうな目立つラインやインジケータに、損切りポイントと利益確定ポイントを設定する。
- 3-1,その時々の曖昧な感情で決定した通貨数と、残高の2%で損切り幅を算出して、損失額が残高の2%になるようにする。3-2,あるいは、目立つラインやインジケータに合わせた損切り幅と残高の2%で取引通貨数を算出して、損失額が残高の2%になるようにする。
1、3-1は曖昧な感情に従って意思決定をしているので、間違っていることがすぐに分かると思います。2、3-2は一見、正しく思えますが間違っています。皆が意識しそうな目立つラインやインジケータに損切りポイントと利益確定ポイントを置くと、リスクリワード比が毎回、違った物になります。例えば、だいたい損失幅:利益幅=1:2と決めていたとしても、チャートの重要ポイントに損切りポイントと利益確定ポイントを置くと、損失幅:利益幅=1:3になったり、2:3や1:1になったりします。これでは毎回、同じトレードというのとは掛け離れたトレードとなります。 (3-1、3-2の意味が分からない人はFXトレードの資金管理を参考にして下さい。)
正しい解決方法
正しい解決方法はこのようになります。
- 資金管理表で算出した取引通貨数にする。
- 資金管理表に従った損失幅、利益幅にする。
- 資金管理表に従った損失幅と残高の2%で取引通貨数を算出して、損失額が残高の2%になるようにする。
これで毎回、曖昧さの少ない(再現性の高い)同じトレードが出来るようになります。エントリーポイントさえ決めてしまえば、後は予め資金管理表で設定していた損失幅、利益幅に従うだけです。意思決定が少なくなる分、裁量トレードがシステムトレードに近くなります。資金管理表の損失幅:利益幅の設定(リスクリワード比)をどうするか、という問題はありますが、それは検証作業を繰り返して自分で答えを見つけていくしかありません。
このように説明した所で実際に資金管理表を使って検証作業やトレードをしてみないことには、この必要性が分からないと思います。資金管理表を使ってトレードをしている人は、まだ少ないと思います。早いうちに取り入れて、他の人よりも賢く有利にトレードして下さい。資金管理表の作り方と使い方はFXトレーダー必須の基礎技術を参考にして下さい。
※資金管理表の損失幅:利益幅の設定を、その時々で変えてトレードすることは毎回、同じようにトレードできるという資金管理表の利点を失う行為です。トレードルールで決めた資金管理表の損失幅:利益幅の設定は変えないように注意します。検証作業で勝てるトレードルールが出来るまでは、損失幅:利益幅の設定を色々と変えて試して下さい。
まとめ
- 資金管理表は検証作業とトレードに必要。
- 資金管理表を使うと裁量トレードがシステムトレードに近くなる。
- 資金管理表を使っている人は、まだ少ない。
- トレードルールで決めた資金管理表の損失幅:利益幅の設定を変えてはいけない。