FXトレードに対する考え方を社会システムに応用してみました。FXトレードとは直接関係ないですが、よかったら見て下さい。こちらも、ご意見ご感想いただけると嬉しいです。
≁ いつか鳥籠の中の鳥達が鳥籠から飛び立ち、色々な新しい社会システムの共同体を作り、どの社会システムの共同体で生きるのかを自由に選択できた時には、真の自由と主体的な理性を手に入れられるかもしれない。 ≁
目次
- はじめに
- 社会システム実験の必要性
- 社会システム実験が行われない理由
- 社会システム実験のやり方
- 社会システムの最適解
- 社会システム実験が行われた先に
- 社会システムの数値化
- 社会システム実験の最低条件
- 新しい社会システムの具体例 ①
- 新しい社会システムの具体例 ②
- 仮想空間における社会システム実験
- 最後に
はじめに
この記事では世界の変え方の一例を記します。他の方法もあると思うので皆さんのアイディアも是非、教えて下さい。それでは早速、どのように世界を変えていくのか以下に箇条書きで記します。
- 海上都市をたくさん作る。
- そこで多くの社会システムの実験をする。
- 実験を重ねて良い社会システムを作る。
- 良い社会システムが出来れば海上都市に移住者が増える。
- 既存国家から海上都市へ人口が流出する。
- 人口流出を抑える為、国も社会システムを変える。
- 社会システムが変われば国が変わり世界が変わる。
社会システムの実験を行い、新しい良い社会システムを作って世界を変えようという事です。良い社会システムとは人々の幸福度が高くなる社会システムの事とします。人々の幸福度が低くなるのを悪い社会システムとします。健全で明るく、楽しく、賢く、溌剌として生きていける、ネガティブな感情の生まれづらい、ポジティブな感情が生まれやすい社会システムを作り、世界を変える事を目指します。
日本で生まれ育った方なら分かると思いますが、日本は物質的には食べ物が美味しくて安全で衛生的でポジティブな感情が生まれやすいです。一方で精神的には閉鎖的で上下関係で物事が決まったり、色々な所に既得権があったりとネガティブな感情を抱きやすいです。物質的には良くて精神的には悪いということは物質的な事だけ享受して、精神的な事(人間関係)には深く関わらない事が今の日本での正しい、幸福度が高くなる生き方という事になります。このような望ましくない状況も社会システムを変える事で改善すると考えています。
社会システム実験の必要性
社会システム実験はなぜ必要なのでしょうか。ここでは社会システム実験の必要性を記します。
良い社会システムを作る為に社会システム実験が必要
私は世界を変えるのはテクノロジーと社会システムと人々の認識だと考えています。人類は今まであらゆるテクノロジーの実験を行い、そのテクノロジーをインフラや製品として完成させて、日常生活のあらゆる所に溶け込ませてきました。テクノロジーの実験は十分に行われている一方で社会システムの実験は全くと言っていい程、行われていない状況です。一つのテクノロジーや製品を完成させるには何千、何万という実験を重ねます。これと同じように一つの社会システムを完成させるには何度も実験を重ねなければいけません。しかし、現在の世界で社会システムの実験はあまり行われていないし意識もされていません。人類は今までに社会システムの実験を何回やったのでしょうか。戦争や争い事が起きて社会システムが大きく変わる事があるので、10回か100回ぐらいは実験しているかもしれませんがそれほど多くはないと思います。何度も実験して失敗を重ねなければ良い社会システムが生まれないのは当たり前の事です。良い社会システムを作る為に社会システム実験が必要です。
自分の周りの環境を変える為に社会システム実験が必要
昨今、世界は荒れており、資本主義、民主主義の崩壊を唱える人が多く見受けられるようになりました。理不尽な出来事は毎日のように起きており、戦争、貧困、差別は未だにあります。普段の生活でも、家庭、学校、職場でもパワハラ、セクハラ、モラハラ、イジメが横行しており、不遇な境遇に陥ったり、ストレスを溜めたりと、理不尽な目に遭っている人もいると思います。そんな中で世の中、何かが間違っていると感じる人は多いのではないでしょうか。しかし、何が間違っているのか分からないと思っているのではないでしょうか。何が間違っているのか、ずばり、その答えを言ってしまえば国の社会システムが間違っているのだと思います。社会システムは自分が所属している家庭、学校、職場等、自分の周りの環境に大きな影響を及ぼします。そして、自分の周りの環境は自分に大きな影響を及ぼします。自分自身が清く正しく在りたいと思い、そのような考えや行動を心掛けていたとしても周りの環境が悪ければ、その行いは報われるものにはならないでしょう。正しすぎる思考や行い(個人や特定組織の利益ではなく公共の利益の為の行動)は組織や集団、共同体から弾かれるものです。家庭、学校、職場を変えて上手くいく場合もあると思いますが、新しい環境も以前と同じような悪い環境かもしれません。国の社会システムが悪ければ悪い環境に関わる可能性が高まります。あまりに酷い場合は国を変えて自分の周りの環境を変えるしかないかもしれません。戦争地域や貧困地域の人々は悪い環境から逃れられないかもしれません。このような悪い環境に陥らない為にも幸せに生きる為にも、より良い社会システムが必要です。良い社会システムを作る為に自分の周りの環境を変える為に社会システム実験が必要です。
まとめ
- 世界を変えるのはテクノロジーと社会システムと人々の認識。
- テクノロジーの実験は十分、行われている。
- 社会システムの実験は全然、行われていない。
- 正しすぎる行い(公共の為の行動)は集団から弾かれる。
- 自分の周りの環境を良くする為に良い社会システムが必要
- 良い社会システムを作る為に社会システム実験が必要。
社会システム実験が行われない理由
社会システムは一度決めてしまうと、その後は変えづらいという特性があります。ここでは社会システムの実験が行われない主な理由を5つ(既得権、怠惰、共同体、時間、人々の認識)上げます。
既得権
社会システムが変われば、それにより不利益を被る人がいます。世の中には既得権というものがあります。既得権とは法律上、正当に手に入れた権利の事、既得権益とは歴史的経緯により得られる権利と利益の事です。戦争や争い事がなく平和な日々が続けば人は楽に利益を得ようとするので、既得権はあらゆるところに蔓延り収入の格差は拡大していきます。政治家、起業家、有名人等の既得権益を得やすい社会的地位の高い人だけでなく、地主の賃料収入や官僚の天下り、公務員、正社員と派遣社員の待遇の違い等、あらゆる所に既得権は存在します。現在、既得権に甘んじている人々は今の社会システムがより公平な社会システムに変わることで自分の利益が奪われることを嫌います。
怠惰
人々は、すでに決められている社会システムの中で生活や仕事をしています。社会システムを突然、大きく変えるとなると人々の生活や仕事に大きな影響が出ます。人々は今までと違う考えや行動が求められ、自分自身が変わらなければ生きていけません。社会人になって変わったと言われる人がいるように生きている世界が変われば、その世界に合わせないと生きづらいものです。そして、この自分が変わらなければいけないというのを人は酷く嫌います。なぜなら人間、動物、自然、万物は元来、怠惰なものだからです。人は怠惰ゆえに常に効率的な形を求めるものです。社会システムが変われば、また新しい社会システムでの効率的な形を求める面倒な行動をしなければいけません。人々は怠惰ゆえに変化を嫌うので社会システムは変えないでほしいと思っています。
共同体
地球上で一番大きな共同体は国です。世界という共同体はありません。社会システム実験を行うのに国という単位は大きすぎます。国の社会システムの根本を変える事は大きなリスクを伴います。大混乱を招き国が崩壊するかもしれません。大きな共同体ほど大きな損害が出て周りの国々、世界に大きな影響を与えますので実験的な試みをする事ができなくなります。小さい共同体ほど損害は小さく済みます。小さな国ではビットコインを法定通貨にしたり、早くから電子政府を導入したりと社会システムの実験的な事を取り入れやすいです。また、人は失敗した時の感情と成功した時の感情では失敗した時の感情の方が大きい事が知られています。こうした理由から物理的にも精神的にも大きな共同体で社会システム実験はできません。
時間
社会システムの実験はリアルタイムで行うと時間が掛かります。例えば現在の社会保障(社会保険、年金、失業保険、生活保護等)をベーシックインカム一本にする社会システムの実験をした場合、実験結果の影響を見るのに最低でも10年~20年は掛かります。人々の幸福度は上がる人もいれば、下がる人もいるかもしれません。また、一部条件を変えれば違う実験結果となったかもしれないと考えて、一部条件を変えて同じ実験を行う場合、さらに同じ期間の実験期間が掛かります。もっと正確に幸福度を測りたければ人の一生を見た方が良いので、人の平均寿命の70~80年くらい掛かることになります。このように一つの社会システムの実験結果を見るのに時間が掛かる為、社会システムの実験はやりづらいのです。また、実験の最中にテクノロジーや世の中の大きな変革により実験の前提条件が変わってしまうこともあり得ます。
人々の認識
人々の認識というのはテクノロジーと社会システムに対する認識です。テクノロジーと社会システムが大事な物だと人々が認識しなければ、テクノロジーと社会システムの実験は行われません。現在、テクノロジーは便利で役立ち面白く、人の命も救う大事な物だと認識されていますので、テクノロジーの実験は数多く行われています。社会システムは便利で役立ち面白く、人の命も救う大事な物だと認識されていません。テクノロジーと同じように社会システムが大事な物だと人々に認識されなければ社会システム実験は行われません。
まとめ
- 既得権がある為、社会システム実験が行われない。
- 人々が怠惰な為、社会システム実験が行われない。
- 共同体が大きい為、社会システム実験が行われない。
- 時間が掛かる為、社会システム実験が行われない。
- 人々の認識が低い為、社会システム実験が行われない。
- テクノロジーに対する人々の認識は高い。
- 社会システムに対する人々の認識は低い。
社会システム実験のやり方
社会システム実験は何処でどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは社会システム実験のやり方を記します。
場所
社会システム実験は海上都市をたくさん作り、そこで実験を行うのが一番良い方法だと思います。公海上では船内の法律は船籍がある国の法律に従うと国際条約で定められています。法律の緩い国に船籍を置けば既存の法律やルールに縛られることなく数多くの社会システム実験を行えます。国の社会システムの中に特区を設けてもう一つの社会システムを作っている例もありますが、社会システム実験は数多く行わなければいけません。また国の中なので完全に自由に社会システムを作れるとも限りません。既存の社会システムの中に新しい社会システムを作るやり方は社会システム実験には向いていません。
形、大きさ
海に浮かべる船の形状はハニカム形状で大きさは最大限、大きい船を作ります。一つでは小さいので、それをいくつも作り海上で船同士を繋げます。7つで1つのユニットとします。下図は一例です。一辺300mの正六角形の船を繋げています。一辺300mの正六角形の船を実際に作れるのかは分かりません。参考までに世界最大の船舶はノルウェー船籍の原油タンカー・ノック・ネヴィスで総トン数260,851トン、載貨重量564,763トン、全長は458.45m、全幅68.8mです。
縦の長さ 300m × 5 = 1,500m = 1.5km
横の長さ 300m / 2 × √3 × 2 × 3 = 1,559m ≒ 1.5km
面積 正六角形は正三角形を6つ合わせた形なので正六角形1つの面積は
0.3km × 0.3km / 2 × √3 / 2 × 6 ≒ 0.233㎢ これが7つなので
0.233㎢ × 7 ≒ 1.63㎢ となります。
日本の皇居(外苑含む)の面積2.3㎢、モナコの面積2㎢より少し小さいぐらいです。
人口
船上の都市人口を2万人、面積を1.6㎢とすると、人口密度は
人口20,000人 / 面積1.6㎢ ≒ 人口密度 12,500人/㎢となります。
参考までに人口密度の高い各都市の人口密度はこのようになっています。
東京都23区
人口9,700,000人 / 面積620㎢ ≒ 人口密度15,000人/㎢
港区
人口220,000人 / 面積20㎢ ≒ 人口密度11,000人/㎢
モナコ
人口39,000人 / 面積2㎢ ≒ 人口密度19,000人/㎢
シンガポール
人口5,800,000人 / 面積730㎢ ≒ 人口密度8,000人/㎢
もっと大きな都市を形成したければユニットを2ユニット、3ユニットと繋げて大きくすればいいです。
個数
なるべく多くの社会システムの実験が行われるように個数は多い方が良いです。例えば東京―ロサンゼルス間、約9,000kmを一直線上に海上都市を配置すれば、約10km置きに900個の海上都市が置かれることになります。ニューヨーク―ロンドン間は約5,500kmなので、550個です。このように配置していれば気軽に船で世界一周をする人達がいたり、漁船が立ち寄ったりと観光、貿易産業や治安面でも良い影響があります。
まとめ
- 社会システムの実験は既存の社会システムのルールが適用されない海上都市でやる。
- それぞれの船を海上で繋げて海上都市を作る。
- 世界の大都市を結ぶように海上都市を配置する。
社会システムの最適解
社会システム実験を行う目的は人々が幸福に生きる為の、より普遍的、恒久的な社会システムの最適解を見つける事です。社会システムの最適解はどうすれば見つけられるのでしょうか。ここでは最適な社会システムの見つけ方を記します。
社会システムを構成する主な要因
社会システムを構成する主な要因がテクノロジーと人々の認識であるならば、社会システムの最適解は、その時代のテクノロジーと人々の認識の具合で変わるはずです。現在、人々はインターネット、SNSの普及によりテクノロジーと社会システムに対する認識を急速に変化させています。世界の先進国の社会システムが上手く機能していないのはテクノロジーと人々の認識の変化に社会システムが対応できていない事が原因かもしれません。人々は今の社会システムを酷く古臭く、理不尽な事が多いシステムだと感じているのではないでしょうか。
社会システムの消費期限
社会システムには消費期限があるのかもしれません。テクノロジーと人々の認識が変化しなかったとしても、時代の流れと共に一つの社会システムは機能しなくなるのかもしれません。1つの社会システムが成熟してくると共同体は大きくなり、既得権が蔓延り、どんなに優れた社会システムでも腐っていくのかもしれません。現在の日本の社会システムが上手く回っていないのも、ただの消費期限切れかもしれません。
最適な社会システムの見つけ方
現在、社会システムが上手く機能していないのは今のテクノロジーと人々の認識の変化に社会システムが対応できていないか、社会システムに消費期限があるのか、どちらか、あるいは両方が原因かもしれません。どちらにせよ社会システム実験を続ける事でしか社会システムの最適解は見つけられません。またテクノロジーと人々の認識、以外にも社会システムの最適解を見つける為の大きな要因があるかもしれません。社会システム実験を実際にしていないので分からない事だらけです。しかし、社会システム実験をしていないという事から、少なくとも現在の社会システムが最適解でないのは確かな事です。
まとめ
- 社会システムの最適解は、その時代のテクノロジーと人々の認識で変わる。
- 社会システムには消費期限があるかもしれない。
- 現在の社会システムは社会システムの最適解ではない。
社会システム実験が行われた先に
社会システム実験が十分に行われた先には世界の変革と多様性のある生き方が実現します。人々は国という枠組みから解放されて、真の自由と主体的な理性を獲得できるかもしれません。ここでは社会システム実験が行われた先の世界について記します。
世界の変革
良い社会システムの海上都市ができれば、生きづらい社会システムの国の人々は海上都市に移住します。国から海上都市に移民、難民等の移住者が増えて人口が流出すれば、人口流出を抑える為に国は社会システムの変更を余儀なくされます。国は海上都市が行った社会システム実験で上手くいった社会システムの良い事例を模倣します。国の社会システムが変わる事で国が変わり世界が変わります。このように国を変えるには内側からではなく、外側から変えた方が争い事もなく効率的です。世界の変革は社会システム実験が行われた先にあります。
多様性のある生き方の実現
人間の考えや行動は構造(社会システム)に規定されてしまう所があるので、不健全な社会システムの中で暮らしていれば不健全な考えや行動をしやすくなります。つまり自分が暮らす社会システムを自由に選択できなければ自分の考えや行動、人生をコントロールする事ができません。昨今、盛んに言われるようになった多様性のある生き方とは、同じ国や都市の中で多様な生き方をする事ではなく、様々な社会システムの中から社会システムを自由に選択して、その中で生きる事、となります。同じ国の同じ社会システムの中で暮らしている人々は違う考えや行動をしづらいので、現在の国は多様性のある生き方をするには向いていません。多様性のある生き方は国単体では実現できません。まずは魅力的な多様性のある社会システムの国や都市が無数にないといけません。それらを作るには多くの社会システム実験を行わなければいけません。多様性のある生き方の実現は社会システム実験が行われた先にあります。
まとめ
- 良い社会システムの所に人々は移動する。
- 国は人口流出を避ける為に社会システムを変更する。
- 国の社会システムが変われば国が変わり世界が変わる。
- 人間の思考や行動は構造(社会システム)に規定される。
- 1つの社会システムの中で多様性のある生き方はできない。
- 多様性のある生き方は様々な社会システムを選択できる事で成り立つ。
社会システムの数値化
社会システムの多様な合理性を数字で示すことにより、社会システムを評価しやすくします。これにより実際に色々な社会システムの中で暮らしてみなくても、どのような社会システムなのかをある程度、把握できるようになり自分に合った社会システムを容易に選択できるようになります。ここでは社会システムの様々な合理性を示し、それをどのように数値化するかを記します。
※ここで記す社会システムの数値化、評価システムは、あくまで一例です。
社会システム総合をシステムの総合評価とする。Coreシステムを政治、外交、軍事、憲法、税制等の社会システムのCore(核)となる部分のシステムの事とする。社会保障システム、労働システム、学習システムはその名の通り。それぞれのシステムの合理性を以下に記す。
社会システム総合
ポジティブ感情的合理性:ポジティブな感情が生まれやすい合理的な社会システムが整っているかを測る。
ネガティブ感情的合理性:ネガティブな感情が生まれづらい合理的な社会システムが整っているかを測る。
安定感情的合理性:安定的な感情が生まれやすい合理的な社会システムが整っているかを測る。
Coreシステム
理想社会的合理性:個人が理想とする自分になる為の合理的な社会システムが整っているかを測る。
安定社会的合理性:個人が安定した生活を送る為の合理的な社会システムが整っているかを測る。
活動社会的合理性:個人が活動的に生きる為の合理的な社会システムが整っているかを測る。
社会保障システム
社会的合理性:社会的に合理性のある社会保障システムが整っているかを測る。
物質的合理性:物質的に豊かな社会(インフラや衣食住の充実)が形成される合理的な社会保障システムが整っているかを測る。
精神的合理性:精神的に豊かな社会(文化、芸術、社会的活動に寛容)が形成される合理的な社会保障システムが整っているかを測る。
労働システム
経済的合理性:働く人間と会社の利益追求の為の合理的な労働システムが整っているかを測る。
感情的合理性:労働者、会社の内部、会社の外部で働く人達がポジティブな感情が生まれやすく、ネガティブな感情が生まれづらい合理的な労働システムが整っているかを測る。
倫理的合理性:パワハラ、セクハラ、モラハラ、イジメ、戦争、貧困、差別、人権、環境問題等、様々な要因に照らし合わせて倫理的に合理的な労働システムが整っているかを測る。
学習システム
自由的合理性:自分が学びたい事を自由に学ぶ為の合理的な学習システムが整っているかを測る。
独立的合理性:物理的、精神的に独立して生きる為の合理的な学習システムが整っているかを測る。
平等的合理性:学習する機会を誰にでも平等に与える為の合理的な学習システムが整っているかを測る。
合理性の数値化は絶対的評価を1~100点、相対的評価を1~100点、その和を総合評価2~200として数字で評価する。絶対的評価は絶対的な基準を設けて評価する。相対的評価は各主要国、各主要都市、他の海上都市を含めて相対的に評価する。
社会システム実験の最低条件
社会システム実験を行う上で最低限、必要なシステムがあります。それは移動の自由と共通言語です。これだけはどこの海上都市でも取り入れなければいけない社会システムです。
移動の自由
海上都市の社会システムが自分に合わなければ他の海上都市に簡単に移住、逃げる事ができるようにします。海上都市は移住者を増やす為にそれ同士が良い社会システムを作る競争をする事で良い社会システムが生まれやすくなります。移動の自由がなければ、あまり競争が行われないので良い社会システムが生まれづらいです。海上都市間をより自由に簡潔に移動できる移住システムが必須です。
共通言語
海上都市は移住をしやすくする為にすべての海上都市で共通言語とします。共通言語はとりあえず世界で一番普及している言語の英語とします。英語未修得者の為の学習システムが必須です。
新しい社会システムの具体例 ①
ここでは新しい社会システムの具体例を記します。
※現在、各数字評価はできないので中央値とします。
※ここで記す社会システムは、あくまで一例です。
システム名:能力資本主義
Coreシステム:能力資本主義
社会保障システム:ベーシックインカム、
労働システム:カラー制度、レベル制度等
学習システム:労働・学習一体化制度、自由学習制度等
社会システム総合 絶対的評価 相対的評価 総合評価
ポジティブ感情的合理性 50 50 100
ネガティブ感情的合理性 50 50 100
安定感情的合理性 50 50 100
Coreシステム 絶対的評価 相対的評価 総合評価
理想社会的合理性 50 50 100
安定社会的合理性 50 50 100
活動社会的合理性 50 50 100
社会保障システム 絶対的評価 相対的評価 総合評価
社会的合理性 50 50 100
物理的合理性 50 50 100
精神的合理性 50 50 100
労働システム 絶対的評価 相対的評価 総合評価
経済的合理性 50 50 100
感情的合理性 50 50 100
倫理的合理性 50 50 100
学習システム 絶対的評価 相対的評価 総合評価
自由的合理性 50 50 100
独立的合理性 50 50 100
平等的合理性 50 50 100
Coreシステム
Core1
海上都市のCoreシステム以外の社会保障システム、労働システム、学習システムを決定、変更できる権利を有する者たちをCore1とする。海上都市の職業レベルの高い者達がCore1の仕事を自分の仕事とは別に兼任で務める。1年任期でローテーションする。
Core2
海上都市のCoreシステムを決定、変更できる権利を有する者たちをCore2とする。各海上都市で同じCoreシステムを採用している場合、それらの海上都市をまとめて連合とする。各海上都市の職業レベルの高い者達がCore2の仕事を自分の仕事とは別に兼任で務める。1年任期でローテーションする。
Core3
Coreシステムを共有しない海上都市や各国政府、世界機関とやり取りする者達をCore3とする。各海上都市の職業レベルの高い者達がCore3の仕事を自分の仕事とは別に兼任で務める。1年任期でローテーションする。
社会保障システム
ベーシックインカムで一本化する。毎月いくらかの金額が全住民に配られる。金額は税収によって変わる。税金は所得税10%、他の税金は無い。
労働システム
カラー制度
働く者を以下のように労働者、会社内部の者、会社外部の者に分ける。
労働者
ブルーカラー(肉体労働者)
ホワイトカラー(頭脳労働者)
イエローカラー(精神労働者)
内部
グリーンカラー(システムビルダー)
レッドカラー(リスクテイカー)
ブラックカラー(トラブルバスター)
外部
ゴールドカラー(インフルエンサー)
シルバーカラー(エデュケーター)
ブロンズカラー(クリエーター)
各カラーの一例(各職業のレベル数値は適当です。)
労働者
時給制(コマ給制)、週3~5日、一日3~6時間勤務、一コマ15分で一日24コマ。
ブルーカラー(肉体労働者)
主に肉体を使った仕事に従事する。
(例1)職業:建築・土木作業員Lv.20
(例2)職業:整備工・修理工Lv.26
(例3)職業:警備・軍事・消防Lv.65
ホワイトカラー(頭脳労働者)
主に頭脳を使った仕事に従事する。
(例1)職業:プログラマーLv.9
(例2)職業:研究開発Lv.53
(例3)職業:事務Lv.44
イエローカラー(精神労働者)
主に精神を使った仕事に従事する。
(例1)職業:カスタマーセンターLv.18
(例2)職業:看護師Lv.34
(例3)職業:営業Lv.48
内部
年俸制、週3~5日、一日3~6時間勤務。
グリーンカラー(システムビルダー)
労働市場を作る仕事に従事する。
(例1)職業:コンサルタントLv.81
(例2)職業:人事Lv.26
(例3)職業:総務Lv.47
レッドカラー(リスクテイカー)
業務の全責任を負うのが仕事。業務の全責任をリスクテイカーが負うことにより、働く人のストレスを抑えてネガティブな感情が生まれづらいようにする。
(例1)職業:事業計画・立案Lv.20
(例2)職業:資金調達Lv.88
(例3)職業:広報Lv.61
ブラックカラー(トラブルバスター)
会社内外の課題、問題、トラブルに対処する仕事。
(例1)職業:法務Lv.95
(例2)職業:経理財務Lv.36
(例3)職業:内部監査Lv.75
外部
成果報酬制、契約報酬制、勤務時間は自由。
各会社と契約して仕事をする場合は各会社の就業規則に従う。
ゴールドカラー(インフルエンサー)
世の中に対する影響力の高い(目立つ)仕事に従事する。
(例1)職業:youtuberLv.29
(例2)職業:スポーツ選手Lv.68
(例3)職業:芸人Lv.74
シルバーカラー(エデュケーター)
教育の仕事に従事する。
(例1)職業:教育者Lv.43
(例2)職業:レフリーLv.28
(例3)職業:コーチLv.70
ブロンズカラー(クリエーター)
クリエイティブな仕事に従事する。
(例1)職業:作家Lv.33
(例2)職業:デザイナー81
(例3)職業:芸術家Lv.13
Coreシステムの人員も会社と同じように労働者、内部の者で構成される。職業レベルの高い者達が自分の仕事とは別に兼任で務める。1年任期でローテーションする。
レベル制度
概要
すべての仕事内容をLv.1~100にレベル分けする。レベル分けはレベル委員会の人間が行う。レベルが高い者ほど給料も高くなる。15歳以上の個人は全員、職業レベルを持つ。最高レベルがLv.20までしかない職業等も存在する。このような職業でLv.20まで達した場合は、さらに上を目指せるようにLv.20以上ある他の類似した職業に速やかに転職できるようにする。レベル制度は安定的な収入と精神的な安定を得る為に役立つシステム。フリーランスでも安定収入が見込める。労働者、内部、外部共に物理的、精神的に自立し易い。権威主義、組織依存の希薄化が望める。収入を増やしたい場合はレベルを上げるか、別の仕事を兼任で務める。もしくは、まだ体系化されていない仕事をする。
仕事は上から下に流れる。あるいは中心から末端へ流れる。人間の価値に上下がある訳ではないが、労働の現場では上の仕事をしている人間は希少価値がある。より下の仕事をできる人間は多く、上の仕事をできる人間は少ない。人間の価値が不平等な事でネガティブな感情が生まれないように上の仕事をできる人間を増やす必要がある。既存の世界ではより上の仕事はまず、仕事自体が少ないし、経験する事ができないし、やり方を教える人間もいない。海上都市では、上、下、(中心、末端)の仕事の人数割合を同じぐらいに設計する。分厚い中間層ではなく、均等にする。レベル制度を採用している場合、Lv.1~Lv.100まで各レベルで均等な人数にする。
レベル委員会
労働システム内のレベルシステムに関わるシステムを決定、変更する権利を有する。職業レベルの高い者達が自分の仕事とは別に兼任で務める。1年任期でローテーションする。
レベル落ち
パワハラ、セクハラ、モラハラ、ラフプレー等により他人に精神的、肉体的苦痛を与えて人の仕事を妨害するとレベル落ちする。他にも職場の生産性を落とす言動はレベル落ちする。イエローカード3枚、レッドカード1枚でレベル落ちする。日常生活においても犯罪をするとレベル落ちする。レベル落ちの判定はレフリーがする。
レフリー
レフリーは会社外部のシルバーカラー(エデュケーター)がレフリーを務める。レフリーは労働者、会社内部、会社外部の者をジャッジする。
コーチ
コーチは会社外部のシルバーカラー(エデュケーター)がコーチを務める。コーチは労働者、会社内部、会社外部の者を教育、指導する。既存の会社では通常、レフリー、コーチに当たる役割を会社内部の先輩や上司が行っているが、これには自己の利益、会社の利益、公の利益が一致していないという問題がある。後輩や部下を教育、指導して育てると会社の利益になるが、自分の立場が脅かされて自己の利益にはならないという利害の不一致、感情の矛盾が生じる。利害の不一致、感情の矛盾はパワハラ、セクハラ、モラハラ、いじめ、差別へと繋がる。労働システムだけではなく、あらゆる所で利害の不一致、感情の矛盾は起きている。グリーンカラー(システムビルダー)は、このような事が起きないシステム作りを心掛ける。
タメ語制度(日本でレベル制度を採用する場合)
職場では全員、タメ語で話す。職場では端的で分かり易く、嘘がない意思、情報伝達の方が良い為。優劣が付く関係性を作らないようにする為。
学習システム
労働・学習一体化制度
15歳以上は全員、社会人となる。高校、大学はない。高校でするような学習や部活動、課外活動は仕事をしながらする。大学でやるような学習、研究をしたければ研究職に就くか、仕事をしながら独自で研究する。仕事をしながら様々な活動をできるように就業時間は短めに設計する。それでも生活が成り立つように給料の単価が高くなる工夫したシステムを作る。
自由学習制度
年齢、性別、問わず誰でも、いつでも、どこでも自由に学習できるように、あらゆる学習機会のインフラを整える。
新しい社会システムの具体例 ②
システム名:無意識データ民主主義
膨大なデータ収集と解析により選挙をせずに政策決定する。
参照:22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家は猫になる。(著者:成田悠輔)
仮想空間における社会システム実験
現実世界で気軽に社会システム実験をするのは時間が掛かる事や様々な要因により難しい事です。もっと効率的にリスクを取らずに行う方法はないのでしょうか。コンピューター上の仮想空間であれば社会システム実験を早く効率的に行えるかもしれません。ここでは仮想空間における社会システム実験を考察します。
コンピューターシミュレーション
コンピューター上にもう一つの地球を用意して、そこで人間と同じようにAIに活動してもらえれば社会システム実験は飛躍的に早く行えるかもしれません。リアルタイムの社会システム実験は時間が掛かります。コンピューター上であれば早送りしたり巻き戻したりできます。一部条件だけを変えて他は全く同じ条件下での社会システムの検証というのも行えます。新しい社会システム構築の検証はもちろん、再現性確認、有効性確認の検証を行うこともできます。
メタバース
現在メタバースという物が流行っています。メタバースとはコンピューター上の仮想空間でユーザーがアバター(仮想世界の自分)を使ってゲームをしたり他者とコミュニケーションしたりと社会生活を送れる仮想空間です。生産活動、経済活動を行うことが出来るメタバース空間も存在します。メタバース内のアバターはリアルタイムに生きている人間が動かしているので早送り等はできませんが簡単な社会システム実験ならできると思います。
最後に
ここで記した社会システムはあくまで一例です。良い社会システムを作る為には社会システムの実験を繰り返して、すべての失敗をやりつくさなければいけません。失敗しなければ、それが正しいのか間違っているのか、一部分使える事があるのかないのか判断ができません。実験した社会システムはなるべく詳細に記録を残し、他の実験者が理解できるようにしておきます。記録に残す理由を以下に記します。
- 同じ社会システムの実験をしないようにする。(二度手間を無くす。)
- 他の実験者が一部条件を変えて再実験できる。それで上手くいく事もあるかもしれない。
- その時代では上手く機能しなかった社会システムでも、時代が変わりテクノロジーと人々の認識が変われば上手くいくかもしれない。
- 社会システム実験の記録を人々が読むことで社会システムに対す人々の認識が高まる。
現在の国のあらゆる問題はどれだけ優秀な人間であっても解決できないように思います。根本の問題点は社会システムの実験が行われていない事、行うことが出来ない事です。今まで社会システムが杜撰であるにも関わらず、これ程、社会が発展を遂げてきたのはテクノロジーと人々の我慢、忍耐のお陰だと思います。誰かが我慢をして生きるような状況を改善する為にも社会システム実験を行い、社会、国、世界を変えて人々が幸福に生きられるようにしなければいけません。民主主義、資本主義、社会主義、共産主義、どのような社会システムでもその時のテクノロジー、人々の認識、その他諸々の事情により、上手くいったり、いかなかったりするのだろうと思います。何か問題が起きた時に応急的なシステムを作り続けている今のシステムでは上手くはいかないだろうし、根本のシステムを変えなければ何をしても無駄なのだろうと思います。世の中は上手く回らないし、個人の能力を効率的に最大限、引き出す事もできません。人々はいつも余計な事で疲弊しています。色々な社会システムを作り、その中で実際に生きてみて、試していくしかありません。社会システムの実験がやりづらい理由はあっても、やらなくていい理由はないはずです。社会システムの実験をする事の意義を理解する人が一人でも増えたなら幸いです。皆様の幸せを願っています。ご意見、ご感想、お待ちしています。皆様が考えた社会システムも教えていただけると嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。